『文化の樹を植える』 函館に代官山蔦屋書店の2号店ができる

文化の樹を植える。 「函館蔦屋書店」という冒険

文化の樹を植える。 「函館蔦屋書店」という冒険

代官山蔦屋書店の2号店が函館にできるということで、建設までをまとめた本が出ている。  

まず2号店ができることに率直に驚いた。代官山蔦屋は偉大だ。良いクオリティのものを作れば、世の中に受け入れられることが確認されたし、人も集まる。代官山駅の乗降人員も増えている。代官山という地域の価値が少し上がった気がする。ただ事業としてみたとき、採算はどうなのか。

明らかに客単価は少ないと思う。居心地の良い緑が多い歩行空間によって、敷地の割に容積が大きくなく、定期収入のあるオフィスもない。きっとオーナーである増田さんの心意気で成り立っているのか。そう思っていた2013年の年始に、2階の音楽コーナー一角がソフトバンクショップに変わっていたの見て、なんとも言えない敗北感があった。やはり事業として赤字なのか。いつか終わってしまうのか、と不安になって。

でも2号店ができる。郊外型ロードサイド店舗で他テナントが入るとのこと、「文化的ジャスコ」のようになるのかも知れない。代官山は心意気があったからできたのかもしれない。でも、ビジネスとしては函館が試金石になるのではないか。逆に郊外だからこそ土地が安く、文化的需要の幅白い受け皿になって、成立するのかも知れない。色々な意味で、今後の展開をとても楽しみにしている。