湯船で本を読む

連休明けで久しぶりに出勤。予定がない落ち着いた一日だったが、それでも久しぶりに仕事すると疲れる。帰路は渋滞がひどい。固くなった身体をお湯で元に戻すように、ゆっくり風呂につかることにしている。

湯船で本を読んでいる。日本のユニットバスと違って、風呂といっても普通の部屋と同じような造り。がっしりしたホーローの湯船が据え付けられて、シャワーブースは別にある。だから、湯船の周りに水気がないし、湿気も少ない。洗面台の横にある棚は、本来は洗面用具を入れるのだろうが、1/3は本棚として使われている。

元気があるときは実用的な本を読む。反対に疲れていると、小説、とくに短編集をパラパラめくる。今日は『めくらやなぎと眠る女』を読んだ。アメリカで編集された村上春樹の短編集で、セレクトが渋い。

連休の終わり、絵を買うこと、会計的に考える

連休の最終日だったので買い物をした。ユニクロでスピーマコットンのTシャツを3枚、アロハのようなオープンネックのシャツを1枚買う。無印良品でホーロー容器とラップケースを買う。ランチのお寿司を食べて帰宅してから、パソコンで事務仕事を少し。SBIオークションのサイトを見たら、今井麗の作品がエスティメイトを超えた250万円で落札されていた。

日本に帰れなくなり、このところ絵を買っていない。絵はおトクな趣味だ。自由に鑑賞できるし、時間と共に値上がりしていく(と信じている)。絵を毎年買っているんだよね、と話すと、趣味にお金を使う人と理解をされる。半分間違っている。お金は消費されていないからだ。会計的にいえば、現金を美術品に交換しただけ。美術品は非償却資産であり、これまで買った絵は減価償却はされていないし、むしろ値上がりしている(と信じている)

お金を使うとき、つい仕訳を考えてしまう。この支出はバランスシートに載るのか、載らないのか。換金価値ではない。ホーロー容器によって自分のテンションが上がれば、めぐりめぐって、収入増につながる。だから、無形資産を合わせて買っているんだな、と考えている。では、バランスシートに載らない無駄な支出はなんだろう。面白くない人との飲食費、本当は欲しくなかったもの、所有すれば不要だったレンタル代、など。

連休の3日目

7時30分に起きて、息子のスイミングレッスンに付き添う。朝のプールは水が冷たい。やや心配だったが、風が気持ちよく、早朝のプールは想像以上に気分が良いことがわかった。

マンツーマンレッスンで1時間。先生は次の約束があるようで、大通りの向かい側にあるレジデンスに走っていった。知人に紹介された方で、大学生なのかな、英語が話せるので重宝され、口コミでレッスンを受けているようだ。このように紹介で繋がっていくテニスの先生や、和食が上手なお手伝いさんなど、色々な仕事がある。

海外に住んでみて、ずいぶんニッチな需要と供給があるんだな、という発見があった。きっと東京にも、おいしいザワークラフトが作れるお手伝いさんとか、フィリピン人向けの賃貸物件を専門にしている不動産屋とか、そんな職業があるんだろう。以前は気が付かなかったが、いまは想像することができる。

部屋に戻ってから、すこし朝寝。それからキッズカフェで時間をつぶして、よく行くレストランでリブアイの250グラムを食べた。よく運動したから、今日は早く寝れると思う。

連休の2日目

ゆっくり起きて、といっても8時30分だが、そのまま家族で博物館に出かけた。日本のGWに比べると短いが、祝日が少ないこちらでは貴重な連休。連休初日の昨日は、疲れが溜まっていたのか身体が動かなくて、レジデンスの中で一日過ごしてしまった。キッズカフェでだらだらして、夕方に少しプールで泳いだぐらい。

博物館のあとは、和食を食べて、展望台に行った。最後にKOIでタピオカティーを飲んで、Grabに乗って帰宅。みんなで昼寝を少し、それからスターバックスで昇進試験の勉強をする。

最近、マンションが欲しいと思っている。区分所有の1部屋を買いたい、ではない。3階ぐらいのマンションを自分で建てたい。家族や親族で集まって住むのが正しいのではないか、と思うようになった。親族用だけど、ちゃんとした区分所有がいい。コンクリート打ちっぱなしのような外観だけど、内装は和室にしたい。息子にそんな話をする。まだ小さいから、よく聞いてくれる。彼の希望としては、1階は小さなスーパー、カフェとお庭がある。ママが好きな色から取ってミドリ・カフェだそうだ。3階の屋上は子供用の広場になっているらしい。2人でマンション名も決めた。

特に目的なく資産運用してきたが、具体的な目標が出来た、気がする。

Trace of 『Trace of Red Curb』

音楽と記憶は脳の同じ分野に保存されている、と読んだことがある。だから、音楽を聴くと、その当時を思い出すそうだ。みんな経験があると思う。

この週末、昼間にスコールがあって、外に出れなくなった。仕方がなくApple Musicをランダムで再生しながらゴロゴロしてところ、ふいに聴いたことのある美しいエレクトロニカが流れ、固まってしまった。

曲名は思い出せなかった。けれど、それより先に、夜明けの海岸線を辻堂の海へ向かって走ったな、というような些細だけれど、手触り感のある光景が浮かんでくる。レイハラカミの曲だった。

レイハラカミはエモいエレクトロニカが売りのミュージシャン、だった。特に『Trace of Red Curb』は「CDが擦り切れる」ほど良く聴いた。まあ、これまで忘れていたわけだけど、改めて聴いて、今でも実にいいと思った。

「Red Curb」とはレイハラカミの2作目のアルバムタイトルだ。つまり『Trace of Red Curb』とは「レッドカーブの思い出」ということで、昔のアルバムを自分でリミックスした、という意味のネーミングである。

リリースは2001年の秋だったらしい。だから、2020年の夏、ぼくの頭にフラッシュバックした光景も、恐らくその頃の記憶なのだろう。才能ある多くのアーティストと同じように、レイハラカミも2011年に早逝してしまい、新曲を聞くことはできない。