ユーキャン流行語大賞がGoogle検索ワード・ランキングに負ける理由

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ユーキャン流行語大賞がまったく腹落ちしないと話題だそうだ。

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それに先立って、Googleが2015年の検索ワード・ランキングを発表。こちらの方がどんぴしゃに当たっていると評判になっている。両者を比較するとこんな感じ。

No.ユーキャン流行語大賞Google検索ワード・ランキング
1 爆買い マイナンバー
2 トリプルスリー ラッスンゴレライ
3 アベ政治を許さない エンブレム
4 安心して下さい、穿いてますよ。 ドローン
5 一億総活躍社会 北陸新幹線
6 エンブレム あったかいんだから
7 五郎丸(ポーズ) 大阪都構想
8 SEALDs 火花
9 ドローン おにぎらず
10 まいにち、修造! モラハラ


世間で言われているとおり、「トリプルスリー」「アベ政治を許さない」「一億層活躍社会」など、いや流行っていないだろう…と思う言葉が多い。これに対して、Google検索の方は安定感があり、テレビに疎い方も一度は耳にしたことがある単語が多いのではないか。

こうなると、昨今の人工知能・ビッグデータの煽りをうけて、ほら見たことか人間が選ぶのが悪いという意見になりそうだが、ちょっと待ってほしい。そもそもユーキャン流行語大賞はどこが運営しているかご存じだろうか。

ユーキャン流行語大賞は、「現代用語の基礎知識」が看板商品の出版社、自由国民社が運営しているイベントだ。自由国民社という名前から感じてもらえるだろうか。かなりロックな由来を持つ会社だ。同社のウェブサイトには設立趣旨が詳細に語られている。

弊社は昭和3年初代社長、故・長谷川國男によって設立された「サラリーマン社」を創業とします。『時局月報』『雑誌サラリーマン』等、反権力のマスコミの一端を担い、戦争中の紆余屈折を経て、昭和23年雑誌『自由國民』の特別編として『現代用語の基礎知識』を発刊いたしました。戦後の活字渇望と知識飢餓の中で、従来にない言葉と時事の新事典として圧倒的な支持を得て、雑誌『現代用語の基礎知識』として一特集から一大時事事典として独立いたしました。同時に戦時中改名を余儀無くされた「時局月報社」から「自由国民社」となり現在に至っています。

創立時の社名は「サラリーマン社」…。

そう、ユーキャン流行語大賞は、日本のリベラルを代表する出版社が主催している流行語大賞なのだ。こうして背景をわかったうえで、もう一度ランキング入りした流行語を見てみよう。なんとなく行間から伝わってくるものがある。Google検索による流行語大賞とは、そもそものスタンスが違うのだ。

なお、流行語大賞の選定にあたっては、読者審査員のアンケートを参考に、『現代用語の基礎知識』編集部がノミネート語を選出。選考委員会によってトップテン、年間大賞語が選ばれる。

現代用語の基礎知識2016

現代用語の基礎知識2016

  • 作者: 佐藤優/北野大/開沼博/谷川俊太郎/木村草太/姜尚中/内田樹/重松清/武田砂鉄/鳥越俊太郎/藤井敏嗣/高橋哲哉/益川敏英/森達也/金子勝/今野晴貴/五野井郁夫/田部井淳子/金田一秀穂/水無田気流/常見陽平/清家篤/村山富市/湯川れい子/ほか,やくみつる
  • 出版社/メーカー: 自由国民社
  • 発売日: 2015/11/11
  • メディア: 雑誌
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