バリュエーションとはなにか?

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値段がわからないものって案外あるという話。

 

バリュエーション?

所謂ファインナンスの仕事以外でも「バリュエーション」という単語を耳にする機会が増えた。バリュエーションという言葉が一般的になっているのかも知れない。

バリュエーションは、投資の価値計算や事業の経済性評価のことをいいます。これは、主に「資産運用(株式投資)」や「ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス(M&A・企業再編等)」などで使われています。(出典:iFinance

つまりM&Aなどをする際「この企業はいくらか」といった算定を行うことで、文字通りバリュエーション=値付けだ。監査法人(FAS)系のコンサルティング会社は軒並みバリュエーション・サービスを提供しているし、独立系でバリュエーションを専門に行う会社もある。不動産鑑定士にように昔からあるバリュエーションの仕事もある。

専門性が高く余り知られていないが「モノの値段をつける」という職業で食っている人は案外多い。

 

モノの値付けをなぜ人に頼むのか?

先日、知人と話しているとき、なぜお金を払ってまで他人にモノの値段を決めてもらうのか、だって自分で決めればタダだろう、という話になった。

モノの値付けを依頼する理由は2つしかない。1つは本当に価値がわからないとき、2つめは価格に根拠が必要なときだ。

Twitterを買収しないか?そう聞かれたら、あなたは幾ら払うべきだろうか。

上場企業であれば株価でおおよその価格はわかる。しかし、Twitterのような未上場の企業であれば、どれくらいの価格が適正なのか。そして、もっとも重要な点は、この価格は高すぎない妥当な価格であると、株主や上司や会計士の同意を得ることは結構メンドくさいということだ。そこで「値付け」のプロフェッショナルにニーズが生まれる。

 

なぜバリュエーションが増えているのか?

こうして考えると、バリュエーションというサービスの需要がわかる。第三者が合理的に価値を算定することに需要があるということだ。

モノ言う株主が増え、経済がグローバル化して、M&Aが増えた。金融やビジネスモデルが複雑になって、それを表現するために会計制度も推計することが増えた。さまざまな理由によってバリュエーションの必要性が高まっている。

でも本質的な理由は、人々の価値観が多様化して、多種多様のサービスが産まれていること。今の世の中で「何に価値があるか」それ自体が皆よくわからないことだ。

 

小さなマーケットが乱立する時代

インターネットによって情報がフラットになって、様々なモノの価格が均一になっていくのではないか。かつてそんな議論があったが、これはもう幻想になっている。

確かに比較可能なマスプロダクトは均一化が進んでいる。しかし、そもそもマスプロダクトの需要自体が減少しつつある。より個人にフィットした新サービス、新プロダクトが続々と生まれ、ごく小さなマーケットが無数に誕生した。

これからも技術革新と共に世の中はより複雑になっていくだろう。そして、複雑な事象を説明するバリュエーションのようなホワイトカラーのサービスが今以上に普及すると思う。