天才だらけの残酷な時代に凡人のあなたが生きていく方法

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ネットが普及して天才たちがまるで隣にいるようになった。でも、あなたは多分天才じゃない。そんな残酷な時代に凡人が生きぬくリアルな方法

 

このエントリーの結論

凡人は利権に集え。規制産業に就職しろ。

・物語のなかに入って、自分のハートを守れ。

 

天才ばかりの世の中

昨年末からモノを書きたいという欲求がふつふつ湧いてきて、放置していたブログを再開した。それでおとなりのブログを研究するようになって、なるほど最近のブログ界隈がわかった。

これは凄いことになっとる、と。

例えばイケダハヤトさん。賛否両論が多いみたいだけど、僕は天才あらわる…と思った。モニタから勢いがあふれ出てる。

最近では「note」の有料コンテンツ販売がブームらしい。この盛り上がりを見て、数年後に振り返ったとき出版の潮目が変わる歴史のなかに今いるのかなと思った。

半年ぐらい前にホイチョイプロダクションズの『東京いい店やれる店』のレビューを書いて、初めてSmart Newsに掲載された。この記事で言いたかったことは、才能ある人が本気でやるとこんなに面白いコンテンツができるということだった。あの当時、彼らはテレビの深夜枠に集まっていたけど、いまはブログやインスタグラマーなんだなと実感した。

ブログ界隈を見ていて思ったことがもう1つある。

それは高学歴の人が多くないですかということだ。イケハヤさんは早稲田だし、はあちゅうも慶應。他にもネットで露出が高い人たちの学歴をまとめると次のような感じ。

イケダハヤト 早稲田大学政治経済学部
はあちゅう 慶應大学法学部
田端信太郎 慶應大学経済学部
梅木雄平 慶應大学商学部
けんすう 早稲田大学政治経済学部

これまで社会的に、高学歴=事務処理能力が高いというのがコンセンサスだったけど、実は意外に表現の分野でも、方法論を確立する速さ忍耐力競争心などで親和性があるのかも知れない。

そして、なにより残酷なことは、これらの天才がまるでとても近くにいるかのように錯覚してしまうこと。ホントは遥か遠くにいるにも関わらず。

 

人工知能によって仕事がなくなる

で、少し話が変わるが、今後の数年間でホットなテクノロジーは人工知能らしい。人工知能の影響はさまざまなコンサルが予測しているが、いま人間がやっている仕事の大部分が不要になるというコトは一致している。

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が、2013年に発表した研究によれば、次の仕事は人工知能によって消滅の危機にあるらしい。

機械が奪う職業ランキング(米国)の上位15位を抜粋。


小売店販売員
会計士
一番事務員
セールスマン
一般秘書
飲食カウンター接客係
商店レジ打ち係や切符販売員
箱詰め積み降ろしなどの作業員
帳簿係などの金融取引記録保全員
大型トラック・ローリー車の運転手
コールセンター案内係
乗用車・タクシー・バンの運転手
中央官庁職員など上級公務員
調理人(料理人の下で働く人)
ビル管理人

 

(出典:ダイヤモンドオンライン

実際に、2015年、三井住友銀行がコールセンターにIBMのワトソンを導入することを公表して話題になった。いま見ると現実感に欠ける部分もあるが、スマホが普及したように、臨界点を超えた時点でグッと人工知能への置き換えが進むだろう。

でも、そうなったら人間はなにをやるのだろう。少数の知的生産は天才(秀才)たちがやるだろう。一体、凡人はなにをやれば良いのだろうか

ぼくの義理の父親は、高校を卒業後に地元のディーラーで定年まで働いていた。かつて自動車メーカーが国内販売を強化するときに、各々の都道府県にいる地元の資本家と組んでスタートしたレガシーな販売会社だ。

彼は、本当に実直で真面目なサラリーマンだった。けれども、決してずば抜けて頭がキレるタイプではないし、向上心はない。なるべく競争を避け、地元の人間関係を大切にして、自分の時間を大切にしたいと考えている人だ。

そんな人たちは今後どのように生きていけばよいのだろうか。

 

 

利権に向かえ、規制産業で働け

結論は凡人は規制産業で働けということだ。

社会人になってわかったことは、規制で利権で税金で食っている人は結構多い

どんなに人工知能が進んでも、このような分野が置き換えられる可能性は低く、また長い時間がかかるだろう。規制とは政治そのものであって、経済合理性という価値観でモノゴトが進まない。いつだって政治は多数決で決まる。

一例として、鉄道各社の平均給与を見てみよう。約7百万円だそうだ。おそらく高卒が多いなかで、下手したら早稲田や慶應の卒業生より高い給料を得ているのではないか。

地方の農家、労働組合、電波やインフラに群がる規制産業たち、みな団結して政治力をつけ、この残酷な世の中で家族を食べさせるために、身を寄せ合って生きているのだ。

1人の人間が働く期間はせいぜい40年だ。この40年を振り替えってみよう。自由競争の業界以外はそこまでプレーヤーは変わっていない。

確かに未来はわからない。ただ競争のない世界の方が経済的に安定する可能性は高い。

 

物語を読んで、心を守れ

でもこれは社畜の生き方だ。外ではなく内を向き、他人に寄り添って生きていかなければならない。確かに経済的には安定するかも知れないが、大きなストレスを抱えながら生きることになる。

そんなコミュニティで生きていくには、物語を読むしかない。物語を読んで、そこにロールモデルを探し、もう一つの世界で生きていくしかない

村上春樹はこれを「井戸にもぐれ」と表現した。ぼくは、物語の中に入れと言おう。

良い物語はさまざまな感情を洗い流してくれる優秀な装置だ。そんな物語をみつけ、自分と時間を大切にしながら、この残酷な時代を生き抜くのだ。

 

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法 (幻冬舎文庫)

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