2016年2月発売のポパイ読んでびっくりしました。まさか『仕事』特集とは…。そりゃGDPもマイナス成長になりますよね…という話。
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ポパイが仕事特集とは…
仕事をサボって本屋をうろうろしているときに、今月のポパイを発見。思わず2度見して購入しました。特集が『仕事とは?』だったからです。
ポパイってファッション誌ですよね?最近はライフスタイル誌かも知れませんが、少なくとも、コレがイケます買いましょう!という役割じゃないですか。それが『仕事とは?』とは…。この号では、編集者の都築響一さんとみうらじゅんさんの対談があり、冒頭は次の会話からスタートしてました。
都築:ポパイで仕事特集を組むなんてどうかしていると思うよ(笑)
みうら:そうですよね。そもそも遊びの雑誌なのにね(笑)
100%同意。でも(笑)じゃねえよ、と。そして、この数日後にタイミングよく2015年10-12月期のGDPがマイナス成長△1.4%であったと発表されることになります。
もうモノでは満足しない
今回のGDP下落、そしてアベノミクスでどんなに政府&日銀が頑張ってもインフレにならないのは、突き詰めていえば個人消費が弱いからです。みんなモノ買わないんですね。
まあ今回のGDP下落は中国景気や暖冬影響などが主因で直接的にポパイ云々の関係ではないと思いますが、いまの僕たち30代までの若年層の中で、単純なモノやサービスの消費に関心が薄くなり、結果、内需が細っているのは確からしいことでしょう。
繰り返しますがポパイが「仕事」特集をする時代ですよ。いやお前の役割は「消費」だろうっていう話ですよ。でも、モノ買いましょうじゃ売れないんだからしょうがないですよね。
もうモノでは人々が充足するトレンドが収束しつつあって、個々の価値観や、時間の過ごし方であったり、生き様を重視するようになっているのでしょう。これが永続的なトレンドがどうかはわかりませんが、昔ヒッピームーブメントってありましたし、少なくとも現在の断面ではモノやサービスが欲されていないことは確からしいと言えます。
みんな「自由」を望んでいる
今回のポパイは要するに「オリジナリティある好きなことを仕事にしよう」というテーマでした。そこに隠されているメッセージは「たとえお金が少なくとも」です。
多少お金がなくても仕事が面白い方が人生は楽しい。逆にいえば、失われた20年の働き方は、仕事はつまらなくてもお金を稼いでたくさん使った方が安心だよねでしたから、真逆ですね。
似た話で、僕も個人投資家を長くやっていますが、投資家コミュニティの人ってお金は持っていますが使わない。お金はキャッシュを産むための道具でしかなくて消費には回さないんですね。むしろ生活費は節約している人が多く、ネットを検索すると年間生活費100万円なんてライフスタイルがたくさんヒットします。
この人たちにとっての娯楽はモノを買うことではなく、投資でキャッシュを産むこと、生活費を切り詰めること(それ自体を楽しむ)、その結果として経済的に時間的に社会から独立した自由を手に入れることだったりします。(=NOTサラリーマン)
こんなトレンドを考えると、実体経済が上向くのも少し先の話なのかなと思ってしまいます。お金がない人=ポパイ読者も、お金がある人=個人投資家も、みんな消費しないわけだからね。