働かないおじさんの価値はスキルじゃなくてロイヤリティにある

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新卒採用シーズンですね。

昨今は売り手市場だそうですが、それでも人気企業の倍率は高いようです。ランキングに載るような大手は約100倍ぐらいが相場ではないでしょうか。

100倍。1万人が応募して100人しか採用されない。これは採用する方も大変ですよね。渋谷のスクランブル交差点を歩いている人達から1人を選ぶ感じですから。

一部の職種を除けば、新卒に天才まで求めていません。したがって、100人もいれば、企業の条件を満たす程度に優秀な人間はそれなりにいます。2:8の法則でいえば、20人程度は優秀な人間がいる計算になります。

よって最終的な合否は、能力値以外の部分で決定することになります。

この能力値以外の部分のことを、人材部門は「価値観のマッチング」と表現しますが、実際に面接を行う現場の指揮官は「ロイヤリティ」だと考えています。

ロイヤリティとは「忠誠心」のことです。

企業(というより上司である私)に対して、忠実であり裏切らないか。逆境時に逃げないか。優秀でありながら、ロイヤリティが高そうな人材を喉から手が出るほど欲しい。これがラインで働く指揮官、いや、人を使う立場にある全員の本音でしょう。

もちろん、組織全体を長期軸で見る人事部門はこれではダイバシティが進まないことを理解しています。一方で、解雇規制が強く採用した人間を生涯面倒見なければならない日本において、新卒採用でチャレンジするリスクも重々承知しているのです。

こうして多くの大企業では、若い頃から組織の理不尽さに慣れている体育会系の人材が採用されるケースが多くなります。彼らは、無類のロイヤリティで組織の期待に応え、ある人物は財界人まで上り詰めますし、またある人物はこれまでの忠誠心だけを報われ窓際おじさんになるのです。