舛添都知事のかわいい誤魔化しぐらい見逃してあげませんか?

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舛添知事が資金流用疑惑で揉めています。

道義的に(法的にも?)問題が無くはないと思いますが、金額の重要性から考えれば、本当にどうでもいい金額でしょう。牽制するために釘を刺しておく意味はあるにせよ、政局のいい材料に使われてしまうのは時間のムダです。東京オリンピックの準備をドンドン進めましょう。

そもそも、日本は権力と財産が良く分散されている国です。サンデージャポンに出演していたホリエモンが「舛添さんはカネが無かったのでは」とコメントしていましたが、多分その通りなんだと思います。

都知事の年収は約2,500万円ぐらい。庶民感覚では高級でしょうが、首長がお付き合いするであろう上場企業の経営者であれば4,5倍、経費や交際費を含めれば、もっと差があるでしょうから、かなり慎ましい収入です。

一般的に、日本は権力と財産がよく分離されています。例えば、東大法学部を卒業した高級官僚であっても、現役時代の収入は本当に慎ましく、同じ大学を卒業して外資で稼ぐ同期とは、生活水準のケタが違います。

では、なぜカネを捨てて官僚を志す人が多いのでしょうか。さまざまな理由があるでしょうが、やはり国や都道府県という個人ではどうしようもできない大きなスケールの組織を動かすことができるダイナミックさがあるからでしょう。そして、そのパワーを人は「権力」と呼びます。

金融機関で何倍の収入を稼ぐ銀行員でも、金を稼ぐためには、自分より稼ぎが少ない官僚の動向を見定め、ときにご機嫌をとって、情報を流してもらったり、許認可を取ったりします。金融をはじめとする規制業界にとって、許認可権を握る国家公務員は神様に近い存在です。

しかし繰り返しますが、そのキャリア官僚であっても、必死に請願を繰り返す銀行マンの半分以下の稼ぎに過ぎません。お隣中国では、温家宝元首相の隠し財産が27億ドルという報道もありますから、日本の政治とカネの問題がグローバルでみればいかに清潔であり、舛添問題が取るに足らないものか、よくわかります。

日本の課題は、このような政治中枢部の汚職ではなく、むしろ電力や道路といった民営化によってメスが届かない利権団体にあると思うのですが…。この手の些細な政治とカネ問題に加熱しすぎずに、より本質的な課題を取り上げて欲しいものです。