驚異の還元率を見せるヤマダ電機の株主優待

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クレイジーな利回りで人気のヤマダ電機の株主優待が今年も届きました。3月決算の優待は6月に届きますが、その中でもこの優待が一番楽しみです。

ヤマダ電機の株主優待は少しおかしくて、100株持っているだけで年3,000円の金券が貰えます。いまの株価は544円。単元100株を買うと54,400円ですから、利回りは5.3%です。

もちろん、これ以外に通常の配当金が1株あたり16円つきます。つまり年4,600円のリターン。利回り8.2%です。

そして、なんと、このヤマダ株を売らずに長期保有すると、貰える金券が増えます。1年以上保有すると3,000円が5,000円に。2年以上保有すると5,000円が5,500円にアップ。最終的に年7,100円で、利回り12.7%です。住宅ローン金利すら1%を切っている時代です。まったく意味がわかりません。

もちろん、この「異次元還元」にはヤマダ電機にとって、合理的な理由があります。ヤマダ電機は、2015年に元村上ファンド出身者によるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントの買収工作を受けており、この対抗手段として安定株主を増やす必要があったのです。

しかも、ヤマダ電機の代表者は創業者・山田昇社長ですし、競争の激しい家電業界を勝ち抜いてきた経営陣は振り切れた決断をすることが得意です。よって配当政策という面でも、他社では決して真似できない還元策をスパっと決断できたのだと思います。普通の会社ではまず決めれないでしょうよ、この還元率は…。

さて、ここで大いに予想されることは、騒動が落ち着いたら株主優待なんてスパっと辞めるのでは、ということです。まして、ヤマダ電機のIRページを見るに、本来は株主への興味なんてさらさら無さそうですからね。

少しでも長い間この優待が維持されますよう祈念しながらこの記事を書きました。