『レミーのおいしいレストラン』に出てくるイーゴーの名言

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GW初日は『レミーのおいしいレストラン』を見た。ネズミが料理をつくるという単純なストーリーだが、ピクサーの映画には随所に社会を風刺するようなシーンがあって、大人が見ても面白い。

なかでも印象的なのが、悪役の1人でもある料理評論家イーゴーで、物語のクライマックスに改心したイーゴーの独白が非常によい。

評論家というのは気楽な稼業だ。

危険を冒すこともなく、料理人たちの努力の結晶に審判を下すだけでいい。辛口な評論は書くのも読むのも楽しいし、商売になる。

だが、評論家には苦々しい真実がつきまとう。

たとえ評論家にこき下ろされ三流品と呼ばれたとしても、料理自体のほうが評論より意味があるのだ。

脚本家の本音がにじみでている。さらに物語のラストで、イーゴーは評論家を辞め、主人公たちが開業したビストロのオーナーになる。評論家ではなく、プレーヤー側にいく、ということで、これも強烈なメッセージになっている。イソップの童話には教訓があるが、これも現代の教訓というか、教育というか。

ホイチョイブラザーズの『東京いい店やれる店』という名著があるが、この改訂版の前書きはこのイーゴーのセリフが引用されている。センスがいい。