サガシリーズで繰り返し使われている「涙を拭いて」という曲がある。色々な作品の色々な場面で使われているのだが、この中でも断トツに、ロマンシング・サガのそれがいい。四天王のアディリスの前でハオラーンが曲を弾き、「涙を拭いて」が流れる。ただそれだけのイベントだが、出現条件がシビアで、普通に遊んでいたら見ることは少ないそうだ。多くはない容量のなかで、このイベントの、この１曲に容量を割く。スーパーファミコンの音数はわずか８チャンネルだが、アレンジが天才的で、まさに泣ける。
私がロマサガ１をやったのは実に２０２０年のことで、良い大人も大人だったわけだが、それでも、いやそれだからこそ、多くを語らない姿勢にグっときた。ロマサガ１は本当にいい。世界観、ネーミングも、システムも、とにかく全部いい。小学生の頃にやっていたら、逆に理解できなかったのかなと思います。
ロマサガみたいな凝り性なゲームはネットの普及で価値が伝わった部分がある。いやロマサガに限らず、例えばＦＦ５の調合とかね、当時は伝わらなかった情報が「発見」された。こんな楽しみ方があるんだなというような。古文が読み解かれていく感じがして、とても良い。
