過去20年のApple作品をまとめた写真集『Designed by Apple in Califolnia』が発売されています。Appleストア銀座店とオンラインストア限定。問題はその値段で、大判はなんと3万円です。
流石に高いので眺めるだけに…と思っていたのですが、ページをめくるうちに、この20年の記憶がよみがえって、もしや後世に残る記念碑的なプロダクトでは…と感じて買ってしまいました。
この20年間はAppleの黄金期だった、未来から振返ればきっとそう思われるでしょう。20年前、マイクロソフトのWindowsにどんどん市場を奪われていたAppleは、本当に見るも無惨な弱小メーカーで、一部の物好きなファンしか残っていませんでした。
そこに創業者のジョブスが復帰し、「Think Different」キャンペーンやiMacによってブランドを再構築し、iPodやiPhoneによってモバイル端末を「再発明」し…という復活劇は様々な場面で語り継がれるサクセス・ストーリーになっています。
これを客観的に示す指標が株価です。
1995年頃の株価は1ドルですが、2015年のピークは132ドル。この20年でAppleは100倍を上回る富を生み出しました。20年前にAppleを信じて100万円を投じたファンは、いま1億円の資産で報われているはずです。
さて、アメリカに製造業を取り戻すというトランプが大統領になり、Appleも今後その影響を受けることになるでしょう。
カリフォルニア州クパチーノでデザインされているApple製品ですが、製造はアジアです。今回の大統領選を受けて、iPhone製造をアメリカ国内に移転することを検討しているという報道も。
そう考えると、「Designed by Apple in California」というタイトルも実に同時代的で、結果的にやや皮肉っぽく、やっぱり20年後に振り返ったら歴史的な写真集かも知れません。