『アイズワイドシャット』はスコセッシのようだった

スタンリー・キューブリックの『アイズワイドシャット』を見た。公開は1999年でキューブリックの遺作でもある。過激な内容だから日本では18禁。

当時は年齢的に見れなかった。世間の評判も、おっぱいがたくさん映る割には、それほど高くない。むしろ低い。監督自身が駄作と認めた。そんな話もウィキペディアには載っている。そんなわけで放置していたが、キューブリック作品をコンプリートするために、なかば義務的に見た。

さて、これが案外悪くなかった。というより、結構イケてるじゃんと思った。スコセッシやウッディ・アレンの映画に似ている感じが良い。

1)舞台がニューヨークである

2)皮肉の効いたストーリー

3)夢と現実があいまいな演出

とても似ている。トム・クルーズがあてもなくNYを歩くシーン。偶然に繋がっていくストーリーの展開。途中から、まるで『アフターアワーズ』だな。そう思いながら見た。

セクシーシーンの過激さも、時代や個人の感覚によると思うが、そうでもなかった。キューブリックなので、客観的というかクールなカメラショットでエロさが少ないのだろうか。妻であるニコール・キッドマンの「寝取られ」的な話から物語が展開していくのだが、いまやインターネットで生々しいものがたくさんある。