6/14、メルカリがついにマザーズへ上場。有価証券報告書が公開されていたので、ポイントをサマリーしました。メルカリの実態がわかりますね。(5/15:追記しました)
企業の概況
売上高は220億円、当期純損失は▲42億円、EPSは▲36円です。
主な費用は広告宣伝費で、直近は68億円→141億円へ倍増。宣伝しなければ、すぐ黒字ですね。
従業員数と平均年収
単体の従業員は652人で、1年で286名が増加。平均年収は500万円。
年収が低い!従業員が652人もいて、売上は220億円ですから、生産性も高くありません。違法出品の防止のため運営監視を増強したそうですが、これに手数がかかると推測…。いずれにせよ、思ったより良くない、という印象。
事業スケール
累計1億ダウンロード、MAUは1,000万人、流通総額は1,000億円。
ブックオフなど既存の中古市場からすると、流通総額1,000億円はすでに大きいシェアアで、伸びしろあるの?という印象も。ただ、メルカリは、シェアリング市場を開拓していますので、拡大余地はなんとも言えません。
追記
国内リユース市場は全体で3.1兆円(2015年:環境省)ですが、メルカリと親和性が低い自動車やバイクが6割を占めるそうです。現在の流通総額1,000億円ですから、甘めに見て10倍程度の伸びしろがあるかも知れませんが、それでも売上2,000億円規模ですね。
事業のリスク(抜粋)
・事業の成長性、CtoC事業の競合環境
・資金決済法などの法的規制(売上金をポイント化し、決済できる仕組み)
・サービスの健全性(偽造、盗品売買、不適切な出品)
・海外展開の失敗可能性
・システム、訴訟、知的財産権、事業基盤の拡充
・第三者への依存(Apple、Google、物流網)
株式の状況
最後に栄光の株主たちは…。注目は、10.59%を所有する第2位のユナイテッドでしょう。メルカリ上場の期待を織り込んで、すでに株価も右肩上がりです。
まとめと感想
フリマ事業で10倍程度の伸びしろがあるとしても、売上2,000億円ほど。フリマ事業だけの成長は限られていると見ます。ユーザー接点とブランドへのロイヤリティがあり、フリマ事業を軸に、いかにマネタイズの幅を広げられるかが勝負でしょうか。株価は上がるでしょうね、時価総額4,000億円ぐらいでは。