美を拡張する

先日のBSプレミアでやっていたHumanienceという番組がすごく面白くて、見ながらたくさんメモを取った。

 

〇 美を拡張したものが歴史に残る。例えばウォーホルのポップアート。キャンベルスープの缶が美しいことに気がつかなかった。サイエンスのおかげで世界の見える範囲が広がってきた。アートは世界の「見え方」を変えてきた。「美しい」という価値基準を広げる人がアーティストであり、これを出来た人が歴史に残る。

〇 人は管理されることを嫌う。管理されることに反逆する。この反逆の表現の一つがアート。

〇 人の行動の根源は美意識ではないか。合理性だけではないはず。例えば職業選択において経済合理性だけで決めるだろうか、そうではない。自身の美意識で判断している。

〇 アートを見ると脳の部位が反応する。麻薬やアルコールなどの身体的に依存度があるものは線条体という箇所が反応する。しかし、アートで線条体は反応しない。依存性はない。

〇 アート作品を海に浮かぶ氷山に例えている。目に見えているところは一部であり、海に沈んでいるところがある。文化、社会、歴史。文脈、コンテキスト。バンクシーのシュレッダーされた作品、シュレッダーされたところまでが作品。杉本博の写真、「時間」というコンセプトを含めて完成する。モナリザは盗難、パロディ、モデルの謎、色々な積上げがあって、世界一の名画として評価されるに至った。

〇 現代アートでは無題というタイトルが多い。機能的なタイトルを付けず、審美的なタイトルを付ける傾向にある。

 

 

人は管理されることを嫌う、というのが良くて、フランシス・フクヤマの「歴史の終わり」はだからこそ人々の自由を尊重する政治体制に行きつくはず、これが民主主義という主張だった。